ドミニク・ラーマー校訂によるシューベルト・ソナタ新版の第2弾。通し番号から初期作品と誤解する向きもあるかも知れませんが、完成は1826年あるいはそれ以後と考えられています。両端楽章が古典派風の佇まいを残す一方、緩徐楽章には悲しみの中にも多彩な陰影が感じられるシューベルトらしい表現、メヌエットにはウィーン生まれの作曲家ならではの典雅な味わいが感じられます。リントマイヤー=ブランドルによる解説には、作曲年に関する見解や、シューベルトがこの曲の草稿をベートーヴェンの手稿譜の余白に書き付けていたという逸話が見られます。
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