90年代以降、デル・トレディチの歌曲には彼の私生活が直接、間接に反映された作品が目立つようになります。この歌曲は恋人を亡くした直後のトレディチがベックマン自身による朗読に感銘を受けて作曲を思い立ったということです。いずれも '君の訃報に接して' で始まる冒頭の多彩さ、哀しみばかりに固執しない、さまざまな感情が巧みに表現された魅力的な作品です。ワーグナー、シュトラウスの引用が全編を埋め尽くした第3曲、主部がジャズ和声による第4曲などは特徴的です。
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